レクサスが、公式ホームページに「LC コンバーチブル」の特設サイトをオープンした。すでに2020年4月24日から先行予約開始されており、6月27日に行われるレクサスLCの一部改良と同時に、オープンエアモデル「LC コンバーチブル」を追加設定して発売する予定だ。
今回は、国産のオープンカーでは屈指のハイパフォーマンスモデルになるだけでなく、現代では稀有となった大排気量のV8エンジン搭載モデルとなるLCコンバーチブルが、欧州ライバルのオープンカーと比較した場合、どのような勝負となりそうか? チェックしていきたい。
文/岡本幸一郎
写真/LEXUS、岡本幸一郎
【画像ギャラリー】クーペよりもスタイリッシュ!? 欧州ライバルに挑むLCコンバーチブルを詳しく!!
■海外ショーでそのデビューに居合わせる 登場時から市販前提
1月最後の開催となった2019年初の米デトロイトショーでワールドプレミアされた「LC コンバーチブル コンセプト」の現物を、幸運にもその場に居合わせ筆者もじかに目にすることができた。
第一印象としては、すでにかなり出来上がっているように見えた。むろん市販を視野に入れていなければ、そこまでのコンセプトカーはできないだろうし、市販化が現実となるのもそう遠くないように思えた。
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どんなルーフが付いてどのように格納されるのか、その時点ではわからなかったのだが、とにかくスタイリッシュであることが印象的で、ようやく日本からもこうしたスペシャルなオープンカーが生まれることを喜ばしく感じたものだ。
その後、LC コンバーチブルは2019年7月の英グッドウッドフェスティバルで試作車が公開され、秋の東京モーターショーでも姿を見せたほか、直後のロサンゼルスオートショーではほぼ市販状態と思われるコンセプトカーが展示された。
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そしていよいよ、2020年4月から先行予約の受付が始まった。まもなくクーペの「LC」の一部改良とともに、いよいよコンバーチブルが加わる見込みだ。楽しみにしていたLC コンバーチブルの発売が、ようやく実現する。
コンセプトカーの完成度からして、そう遠くないうちに公道で走る姿を見られるものと思っていたのだが、初出しから1年半あまりと、意外と時間がたっていた。
■スタイリッシュかつ官能性を高めたLC 欧州ライバルにも武器に
肝心のルーフはレクサス初の電動ソフトトップとされ、コックピットは完全2シーターではなく、狭いながらもリアシートが備えた2+2レイアウトとなる。この価格帯のオープンカーに相応しくトップは静粛性に優れる4層構造で、センターコンソールにあるスイッチを操作すると15秒で開き、16秒で閉じることが公表されている。50km/h以下であれば走行中も電動開閉が可能だ。
メタルトップとしなかった理由はいろいろ考えられるが、見た感じとしては、これだけ狭いスペースに上手く収めるにはソフトトップでないと難しいようにまず思えた。
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視覚的にもトップを閉めた時のフォルムをより美しいものにするにはソフトトップのほうが有利だし、むしろトップのカラーのバリエーションを工夫することでボディとコーディネートを図ることもできる。むろんメタルトップよりもずっと軽くできるというメリットもある。
クーペと大きな違いがあるのがエンジンだ。クーペにはあるハイブリッドがなく、5L V8自然吸気のみとされる。少々残念なことではあるが、このご時世、高価なオープンカーとなるとそれほどの売れ行きは見込めないことだし、メーカーとしてはできるだけ減らしたいのは当然。
レクサスのアイデンティティであるハイブリッドがないわけだが、どちらかひとつ選べといわれたら、やはりLCの場合はV8だ。現にクーペも販売比率ではV8が圧倒的となっている。
むろん大排気量の自然吸気エンジンというのは、ダウンサイジングの過給機付きエンジンばかりになった競合する欧州のプレミアムブランド勢に対しても独自性を発揮する部分だ。
同じV8エンジンを搭載するクルマを実際にドライブしたり、近くで見かけたことのある人ならご存知のことと思うが、このエンジン、とにかくサウンドが素晴らしい。最高出力477ps、最大トルク540Nm(55.1kgm)を誇る自然吸気エンジンらしい伸びやかな吹け上がりも魅力だ。そこは欧州の競合車に対しても、こちらを選ぶ大きな理由となりうる。
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■ライバルに対しても優位性もあり 「F」にも期待したい
実のところ、このオープンカーもこのクラスとなると世界を見渡してもあまり数は多くない。メルセデス・ベンツ「Sクラスクーペ」や「SL」、BMW「8シリーズ」のほか、「コルベット」やポルシェ「911」あたりに格的には競合するモデルがある。
かつて参入していたジャガーやキャデラックは、現在はラインアップしていない。それだけ数としては厳しいからだ。そんな難しいマーケットに、採算性には慎重なトヨタ~レクサスがあえて参入するのは、イメージリーダーとなるクルマの重要性をそれだけ強く認識しているからに違いない。
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であればなおのこと、それ相応のクルマであることが必要だ。大量生産では不可能なことをやるために、専用の生産ラインを用意したことで実現したグラマラスなフォルムや、独特の雰囲気を持つインテリアが見せる特別感はLCならではの強み。実際にもスタイリングはすでに高く評価されており、それは価格で上回る欧州勢に対しても優位性を感じさせるほどだ。
走りについては本場の欧州勢の実力はさすがのものがあるが、LCもクーペを2019年秋の改良でドライバビリティが大幅に向上したばかりで、コンバーチブルもそれなりに仕上がっているはずだが、その上で期待したいのが、さらなる高性能版だ。
メルセデスに「AMG」、BMWに「M」があるように、レクサスにも「F」がある。クーペを含めLCにはまだないFモデルにも期待せずにいられない。
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June 17, 2020 at 05:00AM
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