百貨店・デパート興亡史 (イースト新書)
作者:梅咲恵司
発売日: 2020/04/10
メディア: 新書
Kindle版もあります。
百貨店・デパート興亡史 (イースト新書)
作者:梅咲恵司
発売日: 2020/05/07
メディア: Kindle版
江戸時代から続く「小売の王様」は、その使命を終えたのか?
三越、伊勢丹、髙島屋、松坂屋、大丸、西武、東急、阪急……
変革はいつ止まったのか、再び革新は起こるのか。江戸時代の呉服屋に起源を持ち、およそ四〇〇年の歴史を誇る百貨店。近代小売業の先駆、業界のトップとして、日本の消費文化を創ってきた。しかし、いまや経営は厳しさを増す一方で、その存在が揺らいできている。三越、伊勢丹、髙島屋、松坂屋、大丸、西武、東急、阪急……。かつて隆盛を極めた百貨店は、商品販売で、宣伝戦略で、豪華施設で、文化催事で、いかにして日本社会を牽引してきたのか。「モノが売れない」時代となり、デジタル化が進む現代において、何を武器に活路を拓くのか。「週刊東洋経済」副編集長が、その歴史と展望に迫る。
僕が子どもだった1980年代のはじめは、月に1回か2回、地方都市の中心部にある「デパート」に出かけていたものです。
洋服や台所用品を選ぶ母親に、買い物が遅い!と不機嫌になる父親、大きな書店やおもちゃ売り場、屋上のゲームセンターを楽しみにしている子どもたち。
そんな僕の記憶にあるデパートも、今や、ほとんど残っていません。
いま、デパート(百貨店)に行くのは、何か贈り物をするときか、「デパ地下」で食料品を選ぶときくらいで、あとは近所にあるスーパーやショッピングモールで買い物をしています。
この本のタイトルをみて、以前放送されていたテレビ番組『カノッサの屈辱』のように、百貨店業界での有名店のそれぞれの戦略や栄枯盛衰をまとめたものだと思ったんですよ。
読んでみると、伊勢丹や西武のような個々の店の話ではなくて、「百貨店という業態が生まれて大勢のお客さんを集めるようになり、その後、スーパーマーケットや郊外型ショッピングモール、Amazonに押され、衰退していくまで」が書かれていました。
「小売の王様」として、かつて隆盛を極めた百貨店が、ここ数年は「衰退している」と言われることが多くなった。日本百貨店協会の推計によると、2018年の全国百貨店売上高は、前年比0.8%減の5兆8870億円だった。これはピークだった1991年の9兆7131億円と比べると、約6割の水準だ。全国の百貨店の数も、1999年には311店舗あったが、現在は202店舗に減っている(2019年5月時点)。
販売不振が深刻になった2000年以降、百貨店業界では、経営難の会社を軸に企業合併が相次ぎ、業界大再編が起こった。
そごうと西武百貨店は、2001年に包括的業務提携を締結、その後持ち株会社を設立し、現在はセブン&アイ・ホールディングス傘下にある。2007年には関西の雄である阪急百貨店と阪神百貨店が統合し、エイチ・ツー・オー・リテイリングが発足。同じく2007年に、老舗百貨店の大丸と松坂屋が結びつき、J・フロント・リテイリングが生まれた。そして、2008年に三越と伊勢丹が統合し、三越伊勢丹ホールディングスが誕生している。
業界再編が起きても、百貨店の販売が回復することはなかった。少子高齢化や地方景気の冷え込みを反映し、主力の衣類・アパレル商品が売れなくなった。パイが小さくなる中で、ショッピングモールなど他業態との競争が激しくなっていった。さらに、ここ数年はEC(ネット通販)が台頭。多くの消費者はネットで詳しい商品情報を集め、比較購買するようになった。百貨店はこういった環境の変化に、うまく対応できない場面が増えていった。
底堅い富裕消費者や、旺盛な訪日外国人客の需要に支えられている都心部の百貨店は、それほど深刻な状況ではない。しかし、外国人客需要などの恩恵が少ない地方・郊外型百貨店は悲鳴を上げている。2016年には千葉パルコ、2017年には千葉三越、2018年には丸栄、山口井筒屋宇部店といった地方・郊外の有力百貨店が店を閉じていった。そして、2020年1月には1700年創業の大沼が自己破産を申請。320年の歴史に幕を下ろした。
僕は地方都市で生活しているので、都市のデパートの賑わい、というのが想像できないのです。僕が知っている今のデパートは、平日には地下の食料品売り場以外にはほとんどお客さんがおらず、店員さんもヒマそう。この10年でも、何軒か閉店したり、規模を縮小したりしています。
デパートはけっこう値段が高いし、店員さんが丁寧に接客してくれるのが、かえって面倒くさいところもあるんですよね。
日本でデパートが誕生したのは、1904年に三越呉服店が「デパートメントストア宣言」をしたときとされているそうです。
ちなみに、世界で最初の百貨店は、フランス・パリの「ル・ボン・マルシェ」で、1852年に「定価明示」「現金販売」「返品可」「入店自由」という販売方式を採用したときとされています。
これらは、今の僕の感覚からすれば、目新しくもなんともないのですが、当時は画期的なことだったのです。
現在では、少し敷居が高めの「百貨店」なのですが、誕生した際には、「入りやすく、買い物しやすい店」と見なされていました。
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June 03, 2020 at 01:01PM
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