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日韓通貨スワップ再開へ関係改善の象徴に年ぶり財務相級対話 - ブルームバーグ

日韓両政府は29日午後、都内で7年ぶりに財務相級対話を開催し、2015年に失効した日韓通貨スワップ協定の再開で合意した。金融市場の混乱時などに通貨を融通しあう協定を改めて結ぶことで、関係改善を示す象徴的な意味合いがある。

  日韓通貨スワップの上限は失効前と同額の100億ドル(約1兆4000億円)。通貨安を阻止する際に必要な外貨を提供する仕組みで、それぞれの自国通貨を米ドルに交換する形で引き出すことができる。韓国当局によると、スワップ協定の期間は3年。対話には鈴木俊一財務相と秋慶鎬経済副首相兼企画財政相が出席した。

  日韓関係は従軍慰安婦問題や元徴用工訴訟への対応などを巡り「戦後最悪」と言われる状態にまで冷え込んでいた。今年3月に尹錫悦政権が徴用工問題の解決策を示したことをきっかけに関係改善が進み、首脳間の「シャトル外交」が再開。互いに輸出管理の優遇国に再指定するなど懸案が相次いで解決に向かっている。今回の協定再開もその一環だ。

  鈴木俊一財務相は終了後の会見で、日韓とも十分な外貨準備が積み上がっているため、通貨スワップの発動は「当面ない」との見方を示しながらも、いざという時に備えることは「円、ウォンに対する信認にプラスに働く」と指摘。率直で有意義な対話ができたとも述べ、両国関係の改善の象徴になると評価した。次回の財務相級対話は来年韓国で開催する。

  同協定は両国関係の悪化を背景に、15年2月に失効。その後、再開協議が進んでいたが、韓国・釜山の日本総領事館前に慰安婦の少女像が設置されたことに日本政府が抗議。17年1月に中断を 決定した経緯がある。

  S&Pグローバルマーケットインテリジェンスの田口はるみ主席エコノミストは、「関係の改善は相互にプラス。両国の協力が進む中で米国との連携も進み、結果として中国へのサプライチェーン上の依存を緩和することになる」と指摘した。通貨スワップについては日本よりも韓国にメリットがあるとしながらも、「金融市場がアジアで安定するというのは結果的に日本にもプラスになる」と語った。

relates to 日韓通貨スワップ再開へ、関係改善の象徴に-7年ぶり財務対話

財務対話に臨む鈴木俊一財務相と秋慶鎬経済副首相兼企画財政相

Source: Ministry of Finance Japan

 

  神田真人財務官は同日午前、「歴史的な日韓関係改善のモメンタム(勢い)を強力に高めていくべきだ」と財務対話の意義を強調。世界と地域の経済・社会が不確実性とリスクに直面する中、日韓の協力強化の必要性が一層高まっていると語った。今回の協議では、日韓の通貨スワップを含め、幅広い分野にわたる協力推進のパッケージ策定を目指すという。 

他のポイント

  • 中国に依存する再生可能エネルギー関連部材のサプライチェーン多様化の新枠組み「RISE(強靭で包摂的なサプライチェーンの強化)」の速やかな立ち上げで合意
  • 第三国におけるインフラ投資で国際協力銀行(JBIC)と韓国輸出入銀行(KEXIM)間の覚書(MOU)への署名を歓迎

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(鈴木財務相の発言とエコノミストコメントを追加して更新しました)

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