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台湾地震で甚大な被害、太魯閣観光「壊滅的打撃」 復旧に5年以上か - 産経ニュース

普段は大勢の観光客で賑わう太魯閣渓谷は、交通が規制され閑散としていた=9日午後、台湾東部・花蓮(桐原正道撮影)

【花蓮(台湾東部)=白岩賢太、五十嵐一】台湾東部沖地震は10日で発生から1週間。甚大な被害が出た花蓮県の有名観光地、太魯閣(タロコ)渓谷について、台湾当局は無期限の閉鎖を決定した。現地メディアによれば、復旧には5年程度かかる見通し。観光が基幹産業の東部地域にとって経済的打撃は計り知れない。

標高3千メートルを超える山々と、切り立った断崖絶壁の間を流れるエメラルドブルーの渓流。台湾八景の一つに数えられる雄大な自然は、毎年約400万人を呼び込む景勝地として知られ、日本人観光客も訪れる。

「太魯閣加油」(タロコ、がんばれ)。この地域の先住民族料理店を渓谷内で営む尤淑玲さん(38)は、電光掲示板に表示された5文字を眺めながら物悲しい表情をみせた。「売上の7割は観光客。太魯閣は怖い場所というイメージが定着するのが一番つらい」

普段は大勢の観光客で賑わう太魯閣渓谷の飲食店は閑散としていた =9日午後、台湾東部・花蓮(桐原正道撮影)

渓谷内は地震で山崩れが相次ぎ、絶景スポットへ向かう道路も各所で寸断。台湾当局は8日、「復旧のめどが立たない」として無期限の閉鎖を決定した。現地メディアも、地震後に渓谷内を調査した地質専門家の話として、元の状態に戻るには「少なくとも5年はかかる」との見通しを報じた。

花蓮県観光協会によれば、発災後は宿泊施設の予約キャンセルが相次ぎ、4月の予約率は10%を下回り、観光業の損失は53億台湾元(約250億円)に上ると試算。同協会の陳義豊理事長は「過去の大地震でもこれほどの被害はなかった。太魯閣は東部地域を代表する観光地であり、復旧のめどが立たなければ、地域経済は壊滅的な打撃を受ける」と危機感をあらわにした。

マグニチュード(M)7・2を観測した3日の地震は、1999年9月に2415人が死亡した中部大地震以降、最大規模だった。花蓮県では最大震度6強を記録。これまでに死者13人、行方不明者は6人に上り、被害の大半は渓谷内で発生した落石が原因だった。

太魯閣渓谷では一部の道路が復旧したものの、観光客の姿はみられなかった =9日午後、台湾東部・花蓮(桐原正道撮影)

太魯閣という一大観光地を抱える花蓮県は、観光業が収入の大半を占める。それだけに行政当局にとっても長期の閉鎖は死活問題となる。

9日、花蓮市郊外で営まれた犠牲者の追悼式に参列した徐榛蔚県知事は、産経新聞の取材に「発災直後から経済振興策について考えている。日本はもとより、世界中の支援を受けながら、1日も早い復興を目指したい」と語った。

太魯閣は風光明媚な景色だけでなく、先住民の暮らしや多様な生物、文化に触れられる場所でもある。太魯閣公園管理所の林忠杉副所長(57)は言う。「ここは多文化で成り立つ、台湾の象徴そのものなんです」

普段は大勢の観光客で賑わう太魯閣渓谷の飲食店は閑散としていた =9日午後、台湾東部・花蓮(桐原正道撮影)
普段は大勢の観光客で賑わう太魯閣渓谷の飲食店は閑散としていた =9日午後、台湾東部・花蓮(桐原正道撮影)
普段は大勢の観光客で賑わう太魯閣渓谷の飲食店では、客がおらず店員が昼寝をしていた =9日午後、台湾東部・花蓮(桐原正道撮影)
太魯閣渓谷では一部の道路が復旧したものの、観光客の姿はみられなかった =9日午後、台湾東部・花蓮(桐原正道撮影)
普段は大勢の観光客で賑わう太魯閣渓谷の飲食店は、閑散としていた =9日午後、台湾東部・花蓮(桐原正道撮影)
太魯閣渓谷では一部の道路が復旧したものの、観光客の姿はみられなかった =9日午後、台湾東部・花蓮(桐原正道撮影)

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