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伊藤環境相が水俣市で謝罪、発言制限の運用を見直しへ…患者らのマイク切り問題で - 読売新聞オンライン

 熊本県水俣市で1日に行われた水俣病の患者・被害者団体と伊藤環境相との懇談で、団体側の発言中に環境省の職員がマイクの音を切った問題を巡り、伊藤環境相が8日、水俣市を訪れて当事者らと面会し、「心からおわびする。深く反省し、しっかり環境行政を進めていく」と謝罪した。改めて懇談の場を設ける意向や、団体側の発言時間を制限してきた運用を見直す考えも示した。

 懇談は水俣病公式確認の日(5月1日)に営まれる犠牲者慰霊式後に毎年行われてきた。1日は患者や被害者が発言中に、環境省側が「1団体3分」で終えるよう何度も促し、亡き家族への思いを話している最中に、時間が超過したとしてマイクの音量をゼロにする場面もあった。

 伊藤環境相は8日、同市の水俣病情報センターで、マイクを切られた山下善寛さん(83)が代表を務める「水俣病被害市民の会」など6団体の代表計9人と面会。1人ずつに頭を下げ、「(1日に)お話しいただけなかったことをお聞きしたい」と述べた。その上で、「声は聞こえており、マイクを絞ったのか分からなかった」などと釈明した。

 山下さんは「大臣自らが指摘して指導すべきだった」と抗議。改めて意見交換の場を設けることなどを求める要望書を手渡した。ほかの参加者からも「環境省の歴史に消しがたい汚点を残した」といった厳しい声が相次いだ。

 伊藤環境相は懇談について、「(日帰りではなく)1泊するか、後ろにリミットがない形を考えたい」と運用を改める意向を示した。

 その後、場所を移して同じく音声を切られた「水俣病患者連合」副会長の松崎重光さん(82)とも面会。松崎さんは懇談で、被害に苦しみながら昨年4月に79歳で亡くなった妻悦子さんを思い、「(原因企業)チッソが水銀を流さなければ……」と語っている最中だった。伊藤環境相は深く頭を下げ、懇談の場を改めて設ける考えを伝えた。

 松崎さんは面会後、「大臣には『話をさせなさい』と言ってほしかった」と苦言を呈したが、「大臣が懇談の場を設けると言ってくれてうれしかった。(悦子さんには)『あんたの苦しかった思いを言ってきたよ』と伝えたい」と話していた。

 伊藤環境相は謝罪に先立ち、環境省で報道陣の取材に応じた。公害の被害者救済などを行うために環境庁(現・環境省)が発足したことを念頭に、「水俣病は環境省が生まれた原点。(水俣病関連の行政を)いかに大切に思っているかということをお伝えしたい」と語った。

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